応援の声、体育祭定番の曲。 |
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嶂 | 最終種目は、生徒会による生徒会のための生徒会リレーです!さあ今までの壮絶なバトル、ただいまの得点は両者譲らずの同点や!これですべてが決まるでー!今年の体育祭を勝利に収めるのは白虎会か、それとも黒龍会なのか!? |
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凛 | ふ…ひょろいお前さんがあたしに勝てるかねえ? |
有栖 | 僕を甘く見ないで下さいよ。これでも体張って会長のツッコミ役やってるんですから。 |
嶂 | 第一走者、白は会計の葉吹凛、黒は副会長の都築有栖や。 |
「よーい」の掛け声と共にスターターピストルが鳴る。 |
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連 | いけー有栖!全力だ、気合だー!! |
優 | 会長、はしゃぎすぎ…。 |
瑳羅 | おサルさんは完全無視でかまいませんことよ。 |
雅 | 凛せんぱーい!頑張ってー!! |
凛 | まかせろっ! |
龍亮 | 雅落ち着け、とりあえずコースに入るなって。 |
皓 | そうだ雅さん、例のモノは? |
雅 | うん、準備ばっちりだよ!会長のゴーサインがあればいつでも出せるよ! |
嶂 | 第一走者、両者譲らぬ走りっぷりや!まだまだ勝敗は五分五分の様子! |
有栖 | …なかなかやりますね…。 |
凛 | ふっ。お前さんこそ…。 |
有栖 | 甘く見ないで下さいよ。まだまだ体力は余ってますからね。それじゃお先に…っと。 |
凛 | 何っ!? |
嶂 | おおっと、ここで黒副会長が白会計を抜かして一歩リード! |
連 | いいぞーっ!有栖かっこいー!! |
連、立ち上がって何故か親指を下に向けて応援。 |
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有栖 | (会長…それは応援じゃなくて挑発です…。) |
龍亮 | あっ…ねばれ凛!!! |
雅 | 凛センパイ、根性(ちくしょう)ー!! |
皓 | 貴方(きさま)なら勝てます!! |
凛 | 畜…生っ!!お前ら後で覚えてろよ…! |
嶂 | さあ最後の一直線や!黒がこのままバトンタッチするのか!?続く第二走者は黒会計の綾瀬優、白は副会長の月瀬皓や! |
有栖 | この勝負僕の勝ちですね!優、頼んだよ! |
優 | いってきます! |
嶂 | 少し遅れて白がバトンタッチや! |
凛 | 後は頼んだ!それから後で覚えてろよ! |
皓 | 頑張ります! |
龍亮 | 皓、頑張れ!よし結城、もしカメ作戦発動だ! |
雅 | アイアイサー! |
嶂 | おっと、ここで白が何か用意している模様!あれは何だ!?カ…カメだー! |
連 | カメだと!?こんなに早く用意するとは卑怯だぞ! |
雅 | べーっだ!罠なくして勝負は始まらないよーだ。 |
優 | (あんなものには引っかからないぞ…絶対…絶対に!) |
優、横断してきたカメに躓いて転ぶ。 |
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優 | うあっ…! |
瑳羅 | オッホホホホホホホホホホホ。 |
連 | 味方を笑ってどうするんだよ! |
瑳羅 | まああれで笑いはとれたからつかみはオッケーですわよ。 |
嶂 | おっと綾瀬君、ここで低レベルな罠に引っかかり転倒! |
雅 | 低レベルっていうなあ! |
龍亮 | よくやった雅!よし、次の準備だ。 |
凛 | よくあんなもんに引っかかったな…。 |
皓 | (よし、これで差がつけられる!) |
連 | くっそー…。有栖、こっちは何も用意してないのか!? |
有栖 | あー、ありますよ一応。 |
連 | 出せっ!早く出せっ! |
連、有栖の襟元を掴んで揺さぶる。 |
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有栖 | ぐえっ…ま、まあそうあせらないで下さいよ。次の走者に仕掛ける予定ですから。 |
瑳羅 | それにしてもうちの会計は愚鈍ですわね。 |
優 | はっ!?ここで負けたら瑳羅さんに怒られるっ!ぬをおおおおおおお!! |
嶂 | 最後の直線で黒会計が猛ダッシュ!白副会長との差が縮まっていく!! |
皓 | まずい、抜かれる! |
優 | 僕は瑳羅さんのために勝つんだあああ!! |
嶂 | ああ、白副会長がついに抜かれたー! |
連 | 優いいぞ!ウケる…じゃなくてカッコうぃー! |
有栖 | …うぃ? |
瑳羅 | さて、次は私の出番ですわね。 |
嶂 | 第三走者は黒書記秣本瑳羅、白も同じく書記の結城雅や!現在トップを走る黒書記、会計からそのままバトンを…ぶん取ったー!? |
優 | ああん瑳羅さんてば強引…。 |
連 | なんか優が気持ち悪いこと言ってるな。 |
有栖 | え、いつもじゃないですか? |
瑳羅 | オッホホホホホ、らっく勝ですわよー! |
嶂 | 遅れて白副会長が到着、書記にバトンをパス! |
皓 | あと…は…たの、みます…。 |
雅 | ナイスファイト副会長!あとは僕に任せて! |
嶂 | 一方黒は…黒書記、優雅に猛ダッシュ!縦巻きロールがバネのようにびよんびよん跳ねてまさに走る玩具! |
瑳羅 | さりげなく失礼な事おっしゃいますわね! |
凛 | …なかなか速いな黒書記め…。だがこっちはあの雅だ。抜かれるのも時間の問題だな。 |
龍亮 | そうだな。しっかし雅とばしてるなー。 |
皓 | はあ…はあ…頑張って雅さん…。 |
凛 | ところで、さっきの侮辱を忘れたとは言わせないよ?覚悟はいいかい? |
皓 | …はっ!? |
皓の悲鳴が轟く。 |
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嶂 | 場外で何やら白副会長の悲鳴が聞こえたけどここはリレーの実況に戻るでー。 |
龍亮 | ちょ、保険係担架担架! |
嶂 | うおっ!?速い、めっさ速い!白書記の足元が見えへん!!どんどん差がのうなってく!どうする黒書記!? |
連 | うっそおおん!? |
有栖 | …そろそろこちらも罠を使いますかね…。優!手伝って! |
優 | おっけー! |
有栖 | 瑳羅さんが通ったその後ろにゴミをまくんだ!そしたらその後ろの白書記が…。 |
優 | 有栖…まさかそれって…。 |
有栖、不敵な笑いを浮かべる。 |
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有栖 | お掃除のおばちゃんトラップですよ…。 |
有栖と優、グラウンド上にゴミをまき始める。 |
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おばちゃん | あらやだ!あんな所にゴミ散らかしてっ! |
嶂 | あっおばちゃん!今コース入ったらマズイねんて!掃除のおばちゃんがコース内のゴミを拾い始めたー! |
雅 | わっ!…うわわ、おばちゃんどいてっ!あぶないよー!! |
嶂 | 白書記減速っ!おばちゃん、白書記に轢かれないギリギリのラインでゴミを拾い続ける器用さ!まさに地域清掃の鏡! |
龍亮 | そこ褒めるところじゃないだろ嶂! |
皓 | 何て低レベルな罠なんだ…! |
有栖 | 低レベルってゆーな! |
優 | カメとどっこいどっこいだと思いますけどね…。 |
連 | そのカメにひっかかったお前もどうかと思うけどな? |
優 | うっ…それは言わないお約束…。 |
嶂 | それでもなんとか黒書記に追いついた白書記、いよいよ最後の直線や! |
瑳羅 | ぬをぉぉおおですわ! |
雅 | 陸上全国大会出場の実力見せてやるー! |
嶂 | 白書記と黒書記、ほぼ同時に両会長へバトンパス!さあ最後の大将戦やー! |
連 | 負けねえ! |
龍亮 | 絶対勝つ! |
雅 | はあ…はあ…会長、いっけえー! |
瑳羅 | ふう…セットが崩れてしまいましたわ。 |
有栖 | (ついでにメイクも崩れてるよ瑳羅さん…。) |
凛 | 龍!漢の生き様見せてやれ! |
龍亮 | 勝手に殺すな! |
連 | 手に負えない会計もって大変だなあ白会長さんは。 |
龍 | うっさい!応援一つよこさない黒よりずっとマシだ! |
連 | なんだとっ…!おいお前ら少しは応援よこせ! |
有栖 | 応援しなくても会長早いんだから勝てるじゃないですかー。 |
瑳羅 | 私はセットを直す方が大事ですわ。 |
優 | (その通りです瑳羅さん!) |
連 | くっそーお前ら…! |
龍亮 | 人望は俺の方が上だな。 |
連 | うるさい頭でっかち! |
龍亮 | 脳筋は黙っとけ! |
嶂 | 両会長、口喧嘩をしながら走るという器用な戦い方!ただいま丁度中間地点、ほぼ互角です!果たして勝つのは頭脳派の白会長か、それとも小柄ですばしっこい黒会長か!? |
連 | おいこら、なんで俺だけ具体的な表現なんだよ! |
嶂 | えー?俺別にチビ言うてへんでー? |
連 | マイク越しでチビ言うなー!! |
辺りで笑いが巻き起こる。 |
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龍亮 | ははん、いい笑われ者だな。 |
連 | お前に言われたくないやい! |
有栖 | あ、なんか会長泣いてる。 |
瑳羅 | 事実だから仕方のないことですわ。 |
優 | ですよねえー。 |
連 | 畜生、優覚えてやがれ! |
嶂 | ここで黒会長が一歩リード!白会長は…懸命に眼鏡のずれを直しながら走っとるせいかやや減速! |
龍亮 | くっそ…眼鏡はずしときゃよかった…。けど眼鏡外したら見えないんだよなあ…。 |
有栖 | いいぞ会長ー! |
雅 | ああっ、会長が! |
凛 | く…雅、何か罠は残ってないのかい!? |
皓 | このままじゃ会長が…! |
雅 | んと…んと…、あるけど…失敗したら…。 |
皓 | かまいませんから早く! |
瑳羅 | あら、白が騒がしいですわね。 |
有栖 | はっ、奴らまた罠を!? |
優 | うう…カメ勘弁…。 |
瑳羅 | カメなんかに引っかかるのはあなたぐらいですわ。 |
優 | うぅ…そんな瑳羅さんまで…。 |
雅 | うーん…じゃあこれっ! |
皓 | こ…これは…。 |
凛 | タイヤ!? |
嶂 | おおっ!?ゴール目前に白がここで最終手段を出した!謎の巨大古タイヤをどう使うのか!? |
雅 | これを投げれば白の勝利は決ま…あっ! |
雅、手を滑らせる。 |
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有栖 | あ、白会長が。 |
龍亮 | うわっ、ちょ、雅ー!! |
龍亮、巨大古タイヤに激突する。 |
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嶂 | あーっと、白書記が投げたタイヤが白会長にもろ激突っ!白会長、顔面直撃でコケたー! |
凛 | 雅っお前さん何してんだいっ! |
皓 | 会長になんて事を! |
雅 | だってだってえー…。だからもし失敗したらって、僕言ったのに…。 |
嶂 | 白サイド、白書記を激しく叱咤! |
龍亮 | いってえー…。 |
連 | やーい、味方の罠に自分が引っかかってやんの。 |
瑳羅 | マヌケこの上ないですわね。 |
優 | そうですよねぇ。 |
瑳羅 | 古タイヤより遅いカメに引っかかったあなたはもっとマヌケですわよ。 |
優、瑳羅の発言がぐさっと刺さる。 |
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優 | うっ…。何度も言うなんて酷いです瑳羅さん…。 |
嶂 | 黒サイドも仲間を集中攻撃を開始、両会長の存在が薄れてるでー。 |
連 | あんな奴らから応援受けんでも楽勝だーい。 |
黒三人、カチンとくる。 |
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有栖・瑳羅・優 | なんだってえ!? |
嶂 | あ、今の楽勝発言が仲間の反感買うた模様。そうこうしているうちに黒会長ゴール!! |
有栖 | あんな人ゴールしなくていいよっ! |
瑳羅 | そうですわ! |
優 | 会長最低です! |
嶂 | 黒会長、ゴールするや否や仲間からブーイングの嵐っ!俺しーらない…。 |
連 | あってめ!逃げやがったな! |
嶂 | 逃げるも何も、俺最初から勝負してへんやーん。 |
連 | ちっくしょおー…! |
皓 | 会長!あと少しです! |
嶂 | さてこちら白会長、ふらつきながらもようやくゴール! |
龍亮 | いってえー…。顔すりむいた…。 |
凛 | あのタイヤやたらでかかったけど、なんのタイヤだい?雅。 |
雅 | ダンプカーのタイヤ。 |
皓 | どうりで大きかったわけですね。 |
龍亮 | どっから持ってきたんだそんなの…。 |
雅 | 企業秘密。 |
連 | 白書記が手すべらせてくれてほんっとよかったぜ…。 |
嶂 | えーそれでは得点発表です!生徒会リレーの配点は一着百点、二着はゼロ点となっております。 |
龍・凛 | なんだそりゃ!? |
連 | やりぃ!一気に差ーついて優勝だー!! |
雅 | なにそれ、そんな配点反則だよ! |
嶂 | え、でもこれ正式な配点やで? |
皓 | あ…ありえない…。 |
瑳羅 | それで、総合得点はどうなっておりますの? |
嶂 | それでは成績発表です。白二百五十七点、黒三百五十七点で黒龍会の優勝です! |
勝利のファンファーレが鳴る。 |
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有栖・優 | やったー!! |
瑳羅 | 黒の優勝など最初から決まっておりましたわ!オーホホホホホホ!! |
連 | そういうことだ!残念でした頭でっかちの白虎会さーん。 |
雅 | むきー、くやしー!! |
凛 | 落ち着きな雅。こっちが頭でっかちならあっちはは体力バカってことだよ。 |
連 | なにっ!? |
皓 | それに雅さんはどちらかというと体力派ですからね。全員頭でっかちってわけでもないですよ。 |
雅 | …それほめてるの? |
優 | ふうん、だったら白の女はガサツですよね。 |
凛 | なんだって!? |
有栖 | 白会計さんなんか特にいい例ですよねー、白会長さあん? |
凛 | 龍、まさかそんな風に思ってたのかい!? |
龍亮 | え!?いやそんなわけ…。 |
雅 | ひどーい会長!! |
龍亮 | 落ち着け、まだ何も言ってないだろ!…はっ、そういえば黒の奴らは皆女々しいよな…。 |
優 | なんだって!?僕が女々しいだって…!? |
有栖 | 優、自認してどうするのっ! |
瑳羅 | そんな女々しい男、私嫌ですわ。 |
優 | はっ!ぼ、僕は女々しくなんてありませんよ! |
連 | つーかその前に優一人女々しいとは言ってないよな。 |
皓 | ちっ、うまく自滅するかと思ったのに…。 |
雅 | え、副会長に似てるけどどちら様ですか? |
皓 | えっ、僕はれっきとした白の副会長ですってば! |
嶂 | なんか喧嘩勃発してもたなあ。そんじゃこの辺で! |